湖南省北西部の武陵源山脈にある張家界は、自然の織りなす美しい風(fēng)景で知られる中國有數(shù)の名勝だ。かつてここは、黙々と土を耕す土著の農(nóng)民以外には、足を踏み入れる人もほとんどいないような靜かな山村だった。その自然も世間の人の目に觸れることなく、あたかも深窓の佳人のように神秘のベールに包まれていたのだ。
ところが1980年代に入ってから、狀況は一変した。観光業(yè)の隆盛やマスコミによる盛んな報(bào)道により、張家界の自然は多くの人々の知るところとなった。霧の中に隠れていた「処女地」は、一躍注目を集めるようになった。
1982年に國務(wù)院が張家界を全國初の國家森林公園に指定して以來、ここを訪れる観光客は増加の一途を辿っている。統(tǒng)計(jì)によると、80年代のはじめから昨年までの間に、國內(nèi)外から延べ千四百萬人以上の人が張家界に足を運(yùn)び、観光事業(yè)で地元が得た収入も延べ20億元以上に達(dá)する。
1992年12月には、ユネスコのスタッフが現(xiàn)地を視察。様々な角度からの審査と指定範(fàn)囲の確定作業(yè)を経て、この地を世界遺産リストに加えた。これを契機(jī)に、張家界の名は國際的な景観區(qū)?自然保護(hù)區(qū)として一挙に広まった。
「張家界」とは一帯の山地を差す俗稱で、その中に張家界自然風(fēng)景旅遊區(qū)という千平方 キロあまりの景観區(qū)がある。索渓峪、天子山と並ぶ張家界の三大景観區(qū)の一つとして知られており、この三大景観區(qū)をあわせて武陵源風(fēng)景名勝區(qū)と総稱することもある。
數(shù)億年の間に繰り返された地殻変動の結(jié)果、この地には石英砂巖の巖の森が形成された。その獨(dú)特の景観により「天下の奇山」とも稱えられる。姿形のそれぞれ異なる巖の峰が全部で3103あり、その高さは100メートルから300メートルに達(dá)する。一帯の森林被覆率は80%を超え、むき出しの巖肌に木々が直接根を張り、青々と茂っているのが面白い。琵琶渓、花渓、金鞭渓などの渓流が巖の峰の間を縦橫に流れる様は、まるで山肌に銀の絹糸がからまっているかのようだ。山と川、そして多くの洞窟が織りなす景色は、ここでしか見ることができない絶景だ。
山中にはキク科、ラン科、マメ科、バラ科、イネ科など、
93科517種の木本植物が自生する。鳥類はベニジュケイ、クビワガラス、オナガキジ、ソウシチョウ、ホトトギスなど41種、野生動物もバーラル、ムジナ、ヤマアラシ、キバノロなど、28種が生息している。
張家界自然風(fēng)景旅遊區(qū)は十年あまりの保護(hù)と開発を経て、三大景観區(qū)の中でも中心的な名勝となった。周囲を茅巖河、九天洞、天門山、武陵山、普光寺などの景観區(qū)に囲まれ、自然と歴史文化、人々の習(xí)俗が一體となった見所の多い観光地として発展している。張家界の國際的な知名度は今後ますます高まり、世界共有の財(cái)産として認(rèn)知されていくだろう。
「人民中國」より 2004年11月3日